幻会興業から2周年記念PVが発表。
幻会興業から2周年記念PVが発表。
メインはワールド巡りイベントを主催する同社。2022年から活動を始め、季節感あるワールドや人生など概念的なツアーも実施している。最近はCM『木』などもリリース、今作の発表は広報や映像にも力を入れている。
そんな幻会興業から2周年記念としてPVが公開された。
ここでは、その動画に込められた意味やなぜそのカットを入れたのかについて解説していく。
PVの動画構成と表現したかったもの
PVを作成することになって初めに考えたのは、『何を伝えたいのか』と『誰に伝えたいのか』でした。
『何を』に関しては、幻会興業の未来へのイメージと、VRCを楽しんでる様子です。
『誰に』では、幻会興業を知ってる方はもちろん、知らない方や、VRそのものをあまり知らない方でも楽しめるような動画にしたいと考えました。
ナレーションもそれに合わせて作成しています。
未来へのイメージということで、全体のテーマはかっこよく、始まりと終わりの構図は合わせて、始まりはモノクロで過去を、終わりはカラーで未来を表現しています。
VRを知らない方向けに、日常生活やワールドだけのカットを入れ、VRCの中でどういう生活を送っているのかわかりやすくしています。
ここからは春夏秋冬のカットになり、テンポも早めになっていきます。
幻会興業では季節にちなんだワールド巡りをすることも多く、季節ごと特定のカラーを決めて撮影をすることで、一体感を出せるよう意識しました。
春はピンクを基調に花のイメージで撮影。
花見と入学式をテーマに大人と子供の構成として対比させました。
夏は青と緑をベースにアイドル的なものと大学生感を意識。
海では家族感、水族館ではデート感を押し出しました。
原風景のような田舎の神社、駅でアイスを食べるのも最高に夏だと思います。
秋は夕焼け、焼き芋、紅葉の神社など黄色と赤のカラーをメイン。食欲の秋でもあるので、食べ物を多めにしました。
逆光でもアバターの光が暗くなりにくいので、逆光で撮影した写真が多く使われています。
反対に、夕焼けできれいになった街並みと合わせるとアバター単体が浮いてしまうこともあり、ワールド選定に苦労したところでもあります。
冬は白をメインに、雪や月、温泉の湯気を撮影しました。キャスティングも比較的、白が多い方を採用し、一体感を出しました。
夜空と白や黒のキャストの対比もきれいに撮れたと思います。
冬の最後の月カットでは、黒多めのカットから満月を映すことで、
月とキャストに目線が行くようにしています。
春夏秋冬の次は、ナレーションから始まり比較的ゆっくりとしたカットが続きます。
ここでは、貨幣が存在しないVRCという場所でも価値はあるということを伝えたくて作成しています。
しかし、VRCは多くの人が交流するゲームであり、そこは現実の世界と同じく意見の違いや悲しい出来事もあります。
意見の違いはあるかもしれないけれど、それぞれの信じた道を進んでいく。
それを表現するために、すれ違った二人の視線の先と足元を映し歩いていく姿を撮影しました。
ワールドも暗めで雨が降っているところを選び、全体的に彩度低めの画面構成としています。
作り物の世界の中でさえあっても、そこで過ごした時間は本物なんだ。そんなメッセージを込めたカット。
ノイズから始まる背景は、Project Summer Flareを使用し作り物の世界を再現。
最初は背景の中にキャストがいて、これはVRCの内部での活動を表現しています。
光と共に再度現れたときは背景の外側にキャストがいる構成で、こちらは現実とのつながりを意識しました。
幻会興業のキャッチコピーは、
『VRCを楽しむ。楽しませる。』
自分が楽しくするのと同じくらい、楽しませることも重視しています。
誰かを楽しませるカットとして、バーで接客するカットを入れました。
楽しんでいたりするカットは写真より動画のほうが伝わりやすいと思います。
このカットは見どころカットと制作陣が読んでいるカットの一つで、画面に一人だけ映るカットになっています。
テーマは笑顔でかわいい人をキャスティング。
遠くでカメラに気が付く、にやっとして近付いて、カメラにつんつんする、3構図でいたずらして楽しんでいる感を演出しました。
ナレーションでは、日本語(ボイチェン)、中国語、英語を採用し、この世界は全世界とつながっている表現をしました。
幻会興業のワールドツアーで使用されるツールであるOPTCS™をテンポよく映しました。
顔や目線を映さずにツールだけに焦点を当てることで、これから始めるぞとテンションを上げるカット。
このシステムはパブリックアバターでどなたでも使用可能になっています。
幻会興業では事業ごとに部が分けられており、その部門ごとに撮影を行いました。
それぞれの部の雰囲気に合わせ、ワールド選定や構図を決めて撮影。
特に人数の多い観光事業部では、一枚にあまり多く映ると視線が追い付かなくなってしまいます。
そこで、一瞬で全員を見渡せる6人を基準に1カットに6人以下の人数で撮影を行っています。
ここでは、手の届きそうな満天に思いをはせる。PVの始まりはモノクロの世界、夜空を眺めているだけで行動は起こしていなかった。
最後には幻会興業の未来を表すカラーの世界。最高にきれいな夜空に向かう姿と社長のナレーションで終わります。